Time Traveller

Welcome to the Correspondence page of Woodpecker!

訪問者の皆様から頂いたご意見とご返事です。

Correspondence

1 土壌の厚さと大気の厚み(K. A. 氏より)    2013.07.01
2 焼畑について(K. A. 氏からの再信)    2013.07.04
3 Soil Organic Matter について(大学院生さんから)    2013.07.04
4 腐植物質の機能について(大学院生さん2 からの質問)    2013.07.05
5 Soil Organic Matter について(大学院生さん3から)    2013.07.06
R5 返信(Woodpecker)    2013.07.07
6 On Edible soils (from Dr. T. A., my friend in Ghana)    2013.07.08
7 堆肥および緑肥 について(大学院生さん3から)    2013.07.11
8 窒素の循環・肥料・食土等について感想 (K.A.氏より)    2013.07.29
R8 返信(Woodpecker)    2013.07.30
9 庭に生えたキノコを食べてしまった話について(K.A.氏より)    2013.11.14
R9 返信(Woodpecker)    2013.11.14
10 アシナガバチを部屋で飼った少年の話について(K.A.氏より)    2013.11.15
R10 返信(Woodpecker)    2013.11.16
11 脱窒問答    2014.01.07
12 リンゴとハチと孫の話    2014.09.17
13 リンゴの品種名を間違っていました。    2015.11.01
14 I have harvested the apples.    2015.11.09
15 4月終盤の雪(Late snow in the end of April)    2016.04.29
16 リンゴの木の植え替えをしました。(New apple tree was planted)    2016.05.14
17 Performance of apple trees this year (2016)    2016.11.03
18 お礼状:ペドロジスト学会巡検(東海地方3県の黒ボク土)に参加して    2018.03.27
19 私の父が若かった頃の話を聞きました。
(K.A さんからの手紙)
   2018.07.15
R19 Woodpecker からK.A.さんへの返信。    2018.07.15
20 K.A.さんからの再信。    2018.07.23
R20 Woodpecker からK.A.さんへの返信。    2018.07.24
21 K.A.さんからの返信。    2018.07.26
22 バレイショ(キタアカリ)の収穫。T.M.氏からの質問。
Harvest of the potato (Kita-akari). A question from Mr. T.M.
   2018.08.30
23 野良猫談義。
A discussion on ownerless cats with Mr. I. S.
   2024.09.24
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土壌の厚さと大気の厚み (K. A. 氏より)

ご案内ありがとうございました。 早速訪問してみました。
筒木先生の人柄と、研究されてこられた内容が満載ですね。 綺麗な花と地質に関する写真。 屈託ない若々しい学生さん。(女性が多いんですね。)
先生の講義のPDFはざっとながら興味深く拝見しました。 母なる大地という言葉は好きな言葉ですが、 学術的にいろいろ調べられているんだなと感じました。 泥の土壌が一番豊かなのでしょうか。
まだ先生の研究内容を十分に理解はできていませんが、 講義テキストのPDFはとても興味あるものでした。 地形と地質と地理、風土、歴史など すべての観点から見ながら土壌学をみておられるのですね。
土壌は、地球表面のわずか数十cmというのも新しい発見でした。 大気が地球のほんのわずかな薄皮で、 その中で対流がおきたり雨が降ったりしているというのを 聞いたことがあったのですが、 土壌はそれよりも1/100も薄いんですね。 ちょっとビックリしました。
先生のホームページは、今後も徐々に 拡張され充実されて行かれると思います。 先生の営みを、これからも折に触れ訪れてみたいと思っています。
ご案内どうもありがとうございました。

先ほど差し上げましたメールで、勘違いがありました。
土壌の厚さと大気の厚みの比は、   180mm/15,000,000mm = 約1/100,000 でしたね。1/100と書いてしまいました。位取りを間違えました。 失礼しました。
土壌は、ほんとに薄い皮なんですね。 その中で生き物が宿り、有機と無機物質、それに水が入り交じって関係を保っている。 土地改良もこの厚さで行われているんですね。 洪水で簡単に流されてしまいそうな厚さだと理解しました。
研究写真の中で、恵那と八百津町の写真があり、懐かしく拝見しました。 彼の地は、私の実家の近くで車でもよく通る所なので、覚えがよい所です。 矢作川の上流から明智を抜けて恵那に抜ける道に拡がる水田と 山々の風景は私の好きな風景で、水田が気持ちよく整備されています。 山間で狭い水田を綺麗に手入れして使っていらっしゃいます。
草々

Woodpeckerからの返信

さっそく私のホームページを見ていただき大変有難うございました。
物の大きさを比べてみるととても面白いですね。
銀河、太陽系、分子、原子、電子、素粒子などのサイズを比較するのも面白いですが、 地球の表面の山や海、そして土壌なども、 もし地球をバスケットボールくらいに例えて見てみたらどうなるかというと、 深い海や高い山でも、ほんの表面の1mm にも満たないわずかなしわのようなもので す。
海でもバスケットボールの表面が少し濡れたかなという程度です。 土壌の厚さならたぶん1ミクロンにも満たない酸化膜のような存在です。
人間をはじめ地球上の生き物はそんなわずかな場所で生きているのですから、 そのわずかな吹けば飛ぶような場所を大切に扱っていかなくてはならないなと 思います。

K. A. 氏の紹介

私のホームページに初めてのコメントと励ましの言葉を頂いたK.A.氏を紹介したいと思います。
K.A.氏は東京で、高速度カメラと計測カメラの開発と販売を行う会社を経営しておられます。
私とは岡崎高校での同窓生の関係で、妻とは同級生でした。
LED、半導体レーザー、CCD などを解説する著書もたくさん書いておられます。
また、1998 年からご自分のライフワークを紹介するホームページを作っておられます。

AnfoWorld


May_Queen_flower

ジャガイモの花が咲き始めました。 




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焼畑について (K. A. 氏からの再信)

昔、先生の所に訪問して焼畑についてお話を伺ったことを覚えています。
私は今まで、焼畑は無計画な土地利用で、砂漠化の原因にもなったもの という位置づけが強かったのですが、 そのとき先生は、焼畑は、実は環境に優しい土地利用だとおっしゃられてました。 当時、わたしはその意味が十分にくみ取れなかったのですけれど、 今回、先生の講義テキストを読ませていただいて大分よくわかるようになりました。
ただ、テキストにはなぜ焼畑農業をするのかの説明がなく、 私の中でまだ十分に咀嚼できていません。 施肥をおこなうシステムが整っておらず、あてがう肥料もないため、 簡単に作物を育てる土壌にするためなのだろうかなと想像しています。
焼畑によって土壌にどのような要素が付加されるのかも 素人の私にはまだ十分にわかっていません。 灰分が中和剤の役割を果たして地力を回復させるためだったでしょうか。 日本の風景に野焼きがありますが、 あれは害虫駆除も目的だと聞いたことがあります。
家畜が食物利用の観点からは効率の悪いものであることが再度理解できました。 豚の生産をするために、人が食する何倍もの大豆やコーンなどが必要だと 何かの本で読んだことがあります。
門外漢の私ですが、先生のテキストは私にもわかるすばらしいと思っています。 いろいろな人が、先生のサイトに訪問されると良いなと願っています。

Woodpeckerからの返信

pdfファイルだけだとどうしても言葉足らずになってしまいます。
焼畑については、インドネシアやマレーシアで、「焼畑は環境破壊だからやめるべきだ」というキャンペーンを利用して、森の中で暮らしている原住民の生活手段と土地を奪い、結局は財閥や国の有力者が、より大規模な環境破壊に結びつく森林伐採やダム建設を進めていることに、非常に不条理を覚えます。
(日本がこれらの国から多量の木材を輸入していることもその原因ですから、うしろめたさを覚えます。)
焼畑は人類が農業を始めた段階で一番最初に利用した農業形態です。全ての民族のご先祖様が過去に経験してきた農業の形態です。 森の果物や川の魚を自然から頂くのと同じように、私たちの祖先は自然の土壌の肥沃度の一部分(余りの部分)を頂いて人間が選んだ作物を栽培しました。利用させてもらった土地の肥沃度が再生できる限度内で行なう農業なので、自然を破壊することはありませんでした。森の果物や川の魚も人間がとり尽くすことはありませんでした。
でもいったん人間の数が多くなりすぎると、再生可能な形態で焼畑をすることがだんだん困難になってきました。 従って、現代人が再び焼畑農業に戻ることはできませんが、自然のなかで自然に調和して焼畑農業をしている人たちを非難したり軽んじたりすることは間違っていると思います。
検索エンジンの仕組みについても詳しく説明をして頂き有難うございました。 良い内容をめざして努力していれば、自然に訪問者も増えるわけですね。 できる範囲で頑張っていこうと思います。

logs in wetland

マレーシアの湿原で伐採された樹木 



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Soil Organic Matter について (大学院生さんから)

最近CO2濃度と様々な問題の話をよく耳にします。
温暖化や異常気象などの関連性を先週に工学系の授業で学んだばかりですが、土壌にも影響を与えるということは初めて知りました。
土は人類と切っても切り離せない関係で、農耕が始まってから土壌の有機炭素の減少が起こっていたり、南極の氷の中のガスにも影響しているなど、人が生活するだけで周りの環境へ多大なダメージを与えているという事実も改めて実感しました。
私は植物の研究をしていますが、学部時代に殆ど土壌系の授業を取ってこなかったので、もっと土壌について学ばなければならないと思いました。


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腐植物質の機能について (大学院生さん2 からの質問)

昔から伝えられてきた言葉(ラテン語の「Homo ab Humo」や英語「Human 、Humus」)から、昔から人と土の深い関係があることを知り、 その後、地球温暖化の原因である二酸化炭素の貯蔵庫としての土壌の役割を様々なデータを基に教えていただきました。
また、各種気候帯による土壌の違いも写真を交えて教えていただきました。
後半では、土壌の構成要素を分離、識別する方法を教えていただきました。 普段作物を育てていると、生育状態のよい健全な作物を育てるのに土の果たす役割は大きいなと思います。 今回の講義で、植物の健全な生育に欠かせない土について少しだけでも知ることができました。
講義中の疑問点ですが、後半部分土壌を酸やアルカリで分離していたヒューミンやフミン酸、フルボ酸、水溶性有機物について、 それぞれの作物に対する役割などが知りたいです。例えば、水溶性有機物が多い土壌だとこんな種類の作物が育つ、等。
もし授業中で既に触れていて私が聞き逃しただけだったなら、申し訳ありません。

Woodpeckerからの返信

ご質問の腐植物質の機能については大切なことですが、個々の成分に分けて植物の生育に及ぼす影響を比較した研究は少ないと思います。
それは個々の成分を純粋かつ多量に取り出すことが困難なことと、実際の土壌中ではこれらの成分が一緒になって機能しているからです。
それでも、それぞれの成分の分子量や官能基組成から、腐植酸は養分の保持などへの貢献が大きく、フルボ酸や水溶性成分は養分の運搬や植物生理活性作用などへの貢献が大きいことが推定できます。
私は以前、畜大の火山灰土から抽出した腐植酸や泥炭土から抽出したフルボ酸が、植物によるカドミウムの吸収にどのような影響を及ぼすか調べたことがあります。
どちらの成分もカラシナによるカドミウムの吸収を促進しました。難しい用語でファイトレメディエーションと言いますが、土壌有機物の存在はファイトレメディエーションを促進します。
最近、植物を発酵して製造されたフルボ酸を開発業者からの委託で入手し、各種の作物に対する施用効果を調べていますが、トマト、ダイコン、小豆などで著しい効果が認められています。収量ばかりでなく、糖度やビタミン濃度などを増加させました。

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Soil Organic Matter について (大学院生さん3から)

土壌の有機物の話は勉強したことがなかったので、初めて知ることが多く授業を楽しく聞くことができました。
特に、人間活動によって環境に大きな負荷を与えていることと人間が使うエネルギーを植物が作っているという部分がよくわかりました。
また、炭素の貯蔵の話では気候条件が違うと炭素の貯蔵や供給量に違いが出てくることや森林・湿原に炭素が多く貯蔵されているといった新たな知識も得られました。
私は土壌の有機物は農業によい影響を与えるとしか思ってなかったのですが、地球温暖化の抑制にも効果があるとは思いもしませんでした。
人間はあるものを使うだけなので様々なものが減っていく一方です。これからは何が自分たちの利用するエネルギーを作ってくれているかを再確認し、地球環境についてもっと考えていかなければならないと思います。


Woodpeckerからの返信

 土に帰った有機物中の炭素のうち99%以上は分解されて再び二酸化炭素として大気中へ戻っていきます。
土壌の条件によって土壌中に残る有機物の割合が微妙に異なり、黒ぼく土、森林土、泥炭土では多くの有機物が安定化されて保存されていますが、過去に土壌中に入ってきた有機物の全量と比べたら、土壌有機物に変わって残っている有機物の量はわずかです。
そして土壌中に貯められた莫大な量の有機物も、人間による土地の利用法が変化すると、急速に分解されて失われてしまいます。
泥炭地の乾燥化に伴う地盤沈下が良い例です。農業による耕耘も土壌有機物を減少させる原因のひとつです。
 従って、土壌有機物を減らさないような土地利用法を実施していくことが重要です。
 他方、大気中の二酸化炭素濃度を調節するためには、大気中の二酸化炭素を有機物に変えてくれる植物の働きが、最も重要だと思います。人間は農業を行い都市生活を享受するために、森林を減らしてきましたが、森林を減らすことは人間の生物としての存立基盤を危うくすることにつながります。開発と保全のバランスが大切だと思います。




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On Edible soils  (from Dr. T. A., my friend in Ghana)

食土について (from トマス・アジャデー, ガーナの友人)

Hello Prof. Tsutsuki, I have just read your research interests and found one of them to be; "Edible soils: characteristics and functions" This is very intriguing.
What are the edible soils? I know in Ghana, some women, especially pregnant women leak kaolin.
I would like to know about these edible soils you are researching.
Best regards,

Reply from Woodpecker

Thank you for your mail.
I am studying edible soils in Hokkaido, but I have not published a paper on this subject.
The indigenous people in Hokkaido used edible soils when they cook their food including wild vegetables.
I suspect that wild plants contain various toxic compounds such as alkaloids, and edible soils may detox these poisons.
I have also heard that many people in the world eat soils, including the people in Africa.
Japanese professor, Dr. Yanai has published a paper on this subject 5-6 years ago on JSSPN journal.
I would appreciate your information on what types of soil is preferred in your country by pregnant woman.
Please keep contact with me further.


Reply mail from Dr. T. A., my friend in Ghana

Hello Prof. Tsutsuki, Very interesting! This appears to be an opening into Paleo-Environmental Pedology.
I am very excited by this. I wish you could send me the publication in JSSPN.


Reply from Woodpecker

Thank you for your reply.
...........
By the way, native people in the continents of north and south America also had a habit of eating soil.
Alexander von Humboldt reports this fact on his travelogue of expedition into Orinoco river basin in Venezuela.





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堆肥および緑肥 について(大学院生さん3から)

生物由来の廃棄物での割合が多かったのは家畜糞尿でした。これにはやっぱりなと思いました。
5年も北海道に住んでいるとどれだけ家畜糞尿が排出されているかがなんとなくわかります。
これをいかに農業に利用していくか、N資源やP資源として利用していくかが重要だと思います。
現在も、堆肥化する技術も進歩しているし、液状の堆肥というのもあります。しかし、この堆肥を一体どのくらいの農家さん方が使っているのでしょうか?
堆肥は圃場に入れる栄養面からみても利用するべきものだと思います。しかし、しっかりと完熟させたものでないと逆効果になってしまうため注意が必要です。
緑肥は肥沃度の上昇や連作障害の改善ができます。私はヒマワリやアルファルファぐらいしか緑肥として知らなかったのですが、
他にもレンゲやフェアリーベッチなど多くの緑肥があることは初めて知りました。
しかし、緑肥の種類によって効果が異なるため、次に栽培する植物種を考えて緑肥を栽培しないと逆に被害が出てしまうこともある。
この情報も知らなかったのですごく勉強になりました。
緑肥を利用することはいいと思うのですが、その栽培期間は収入がゼロというのが、農家にとっては厳しいものがあると思いました。



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窒素の循環・肥料・食土等について感想 (K.A.氏より)

数日前に、窒素についてのテキストを読みました。 窒素は大気圏と土壌圏と水圏の3つにほぼ分散していて、 3つの領域では、窒素の移動はそんなに頻繁に行われていない ことも理解できました。
生物を形作るタンパク質に窒素は欠かせないけれど、 その際の窒素の摂取や土壌に窒素を供給するメカニズムも興味深いものでした。 窒素を地中に戻すのはなかなか難しいのですね。 有機肥料、特に動物の排泄物や動物そのものが分解して土に返ることが 一番効果的なことだと理解しました。
司馬遼太郎(私の地理や歴史、文化の元ネタはほとんど司馬さんです)の 「菜の花の沖」という本の中に、松前藩からニシンを買い付けて、 これを主に田畑の肥料にしていたという件があるのを思い出します。 徳川家康の母親(於大 の方)が安城の水野家にいたとき綿花栽培を始められて、 綿花の栽培にはニシンなどの魚肥が欠かせなかったと書いてありました。 高価なものだったのでしょうね。
カミナリも窒素を地中に固定するのに有効なのですね。 知りませんでした。 窒素分子はとても安定したものなので、簡単には分解できないけれど、 強い電子(エネルギー)の働きで窒素原子を遊離し 近くの水分子や酸素と結びつき、地面に舞い降りるのですね。 絶対量は限られているとは思います。
「食土」についても、全く門外漢ながら、暇な折り、 ふっと思い出すことがあります。 アフリカでは、ゾウやゴリラが年に一度程度山奥に入り 土を食べるというNHKのテレビ番組を見ました。 その動物たちは、塩を摂るために山に入ると解説していました。 食土の風習も、こうしたミネラルを抽出して摂取するためなのだろうかな、 と連想しています。



Woodpecker からK.A.氏へのご返事

K.A.さんもホームページで、お仕事のことや、趣味のことなどいろいろと詳しく解説しておられ素晴らしいなと思います。 私もあせらず気負わずホームページを拡充していきたいと思います。

AnfoWorld


講義のファイルまで目を通して頂き有難うございます。 学生さんからは反応がないので、興味を持って頂いて大変うれしいです。
農業の歴史ではつい数十年前までは有機物からの養分が作物の主要な養分源でした。 下肥も貴重な肥料として循環利用されていましたし、大阪の港に集る船荷の中にもかなりの肥料として使われる有機物(魚かす、なたね粕など)が含まれていたそうです。
現代は無機肥料の時代ですが、エッセンスだけ与えればよいという考え方は、反則のようにも思えます。人間が科学の進歩のなかで無視してしまったものや軽視してきたものが、今またその存在意義を主張しはじめています。
食土については、5月に本別に調査に行ったとき、以前アイヌの人たちが食土を採掘していた場所のすぐ近くに住んでいた農家のおじいさんから話を聞きました。昔、その場所に馬を連れていったところ、何も教えていないのに馬はその土を食べたそうです。馬は見ただけでその土を食べたくなるのですね。
それから、豚などは山に放してやると、鼻で地面を掘って土を食べているそうです。土を食べたからといって病気になるわけではなく、かえって元気で病気にかからない豚に育つそうです。 食土をたべることの一つの目的は、植物毒の中和だそうです。 南米のインコやサルなどは、好んで食べる木の実にアルカロイドが多く含まれているので、木の実を食べたあとは必ず土を食べているようです。



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庭に生えたキノコを食べてしまった話について (K.A.氏より)

Mushroom from my garden

K.A. です。
帯広は、冬の佇まいでしょうか。 お元気にお暮らしのことと思います。
こちらも貧乏暇なしで暮らしています。
久しぶりに先生のホームページを訪ねたら、 先日ご連絡いただいた、キノコの炊き込みご飯のトピックがありました。 思わずにっこりと写真を眺め、読みふけりました。
食卓に並んだコップの水は、実はお酒であることの注意書きまでありました。 諸外国の方には、これを注意書きしないと見落とされてしまうのですね。
キノコは随分りっぱな大きさのものが庭に出たんですね。 ビックリ! 適度な湿度と日照だったのですね。 カサが広くて厚手なようだから、ハイイロシメジの類でしょうか。 天然ものは香りがよいのでしょうね。 自然の恵みの豊かさを感じました。
ということでご報告いたします。
そちらの冬はもう慣れておられると思いますが、 こちらとは厳しさが違うのでしょうね。 お体に気をつけてお励み下さい。
今回は、緑肥について勉強させていただいました。 緑肥も、それはそれで重要な施肥であることを知りました。

草々



Woodpecker からK.A.氏へのご返事

K.A.様
拝復
メール有難うございました。
こちらでは、季節はずれの大雪のあと、しばらくおだやかな気候の日々が続いていましたが、 今週から朝晩の冷え込みが再び厳しくなってきました。
まだ暖かいうちに、私どもの長男と次男夫妻が相次いで私どもの家を訪問してくれて、それぞれの孫達に会うことができました。
孫の成長は早いので、会うたびにその進歩に驚いています。
庭に稔っていたブドウも、完熟して甘くなったところを孫達に食べてもらえて良かったです。
孫達が帰ったあとの土曜日に、ブドウやブルーベリーなどに冬囲いをしました。
ブドウはツルを地面に下ろして、むしろで巻いてやりました。


先週起こったフィリピンビサヤ地方での台風の被害には驚いています。
私はこの地域からの留学生を受け入れたため、レイテ島には2回ほど訪問していますし、 お世話になった方も何人かいます。
かつての留学生は、不幸中の幸いで現在はドイツに留学中のため災難を免れましたが、彼の家族の安否は不明のようです。


私のホームページを訪問して頂き有難うございました。
キノコは何故今年初めて、それも花壇のまんなかから生えてきたのか不明です。一番近くの木はリンゴですが、リンゴとも少し距離がありました。
私は1本抜いて写真を撮り、そのキノコを物置横の台の上に置いておいたのですが、次の日、妻がそのキノコの匂いをかいだところとても美味しそうな香りがしたので、料理することにしたのだそうです。
本能的な行動ですよね。感心します。

最近はこちらの景色も寒々として寂しくなったので、あまり写真も撮らず、ホームページの更新も怠ってきました。
ときどき更新しないと、アップロードのしかたも忘れてしまいますね。


今、腐植物質学会と土壌肥料学会北海道支部の2つの学会を間近に控え、その準備に忙しいこの頃です。発表もしますのでそのプレゼンファイルも作らなくてはなりません。

それでは、この度は大変有難うございました。 またお便りを楽しみにしています。

敬具



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アシナガバチを部屋で飼った少年の話について (K.A.氏より)

Long-legged wasp was my room mate

K.A. です。
すいません。
急いての音信はご迷惑かともおもったのですが、
先生のホームページでスズメバチの話があって、
ついついそのおもしろさに引き込まれて、
かなり面白かったものですからメールを差し上げる次第です。
(返信は不要です。)
先生の英語の文章力は達者です。
O・ヘンリーの短編小説を読んでるような錯覚に陥りました。
題材も奇抜で、ハチの巣と勉強部屋という空間のシチュエーションも興味をそそりました。
高校生、しかも受験生でスズメバチと同居という設定も意外性がありました。

先生の高校時代、足長スズメバチと同居されていたのですね。
もうビックリ。その話を聞いて卒倒してしまいそうになりました。
私は、ハチが大嫌いなのです。
ミツバチでさえも近くに飛んでいると身構えてしまいます。
スズメバチなんてもう、失神しそうです。
それをこともあろうに自分の部屋に巣をもって来て、 受験期間をその蜂と過ごすという。
リッパというか、性根が据わっているというか。
ハチが飛ぶとき羽の音とか、回りを飛んだりとか、よく気が散らなかったですね。
心頭滅却の境地だったのでしょうか。
先生の研究室のドアに貼ってあったスズメバチと 男性の転倒したマンガはよく描かれてあったのを覚えています。若かりし頃の先生と奥様の似顔絵も先生の部屋にありましたね。

庭の冬支度も結構大変なことがよくわかりました。
長い冬だから、ちゃんと養生をしなくてはならないのですね。
フィリピンの自然災害も先生にとっては身近なことだと理解しました。
最近は、自然災害がとても大きくなっていますね。
風速105m/sだったとか。
深夜の仕事の合間、 お便りを差し上げました。
ではまた。
草々



Woodpecker からK.A.氏へのご返事

K.A.様
ハチに関する話も読んで頂き、大変有難うございました。
私が部屋に飼っていたハチはスズメバチではなく、アシナガバチでした。
アシナガバチはスズメバチよりもおとなしく、めったに人を刺さないとのことです。
巣の形もハスの実をさかさまにしたようなものです。
ハチを飼っていたとは申しましたが、実際のところは同居していただけで、お互いに無関心、無干渉を保ち続けただけです。
高校時代のことだったのであまりよく思い出せませんが、日が暮れてからはハチは巣にとまったままじっとしていて飛び回ることはありませんでした。
私も部屋の中ではあまり動き回らなかったので、お互いに良かったのだろうと思います。
今になって、当時なぜ私はアシナガバチを部屋の中で飼ったのだろうと考えても、理由はよくわかりません。
遊びのつもりでつくりかけの蜂の巣を勉強部屋の天井にはりつけたら、そこに巣の作り主が来てしまって作業を再開したので、その様子を見ているうちにずっとそこで飼い続けることになったのだと思います。
私は、気分的には「性善説」で、こちらから干渉しなければハチも刺したりしないものだと思っていました。それを1年かけて実証したわけです。
また、虫と人との間にも、何か気持ちが通じることがあると思っています。
ですから、邪魔に思えてもなるべく殺さないようにしています。

今日はいよいよ差し迫った腐植物質学会のプレゼンの資料を作り、土壌肥料学会の事務的な仕事を進めました。
ホームページに家のブドウの写真を載せました。
How grapes grow

下の写真は庭のブドウとブルーベリーの冬囲いの様子です。
それではお元気で。

correspondence131116

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脱窒問答


昨年の11月に佐賀大学で日本腐植物質学会があり、私も出席してきました。
その際に、佐賀大学の土壌微生物学研究室の染谷先生にもお会いしてきました。
染谷先生とは今まで面識がなかったのですが、国際学会の準備の関係で初めてつながりができました。急な訪問にもかかわらず歓迎していただき、先生の蛍光染色法を駆使した微生物生態のご研究について詳しくお聞きすることができました。また、その際に同研究室でポスドクをしておられる Rさんにもご紹介頂きました。
Rさんは遺伝子を直接染色する方法で脱窒菌の多様性に関する研究をしておられました。そこで、帯広に帰って来てから、脱窒についてわからなかったことをお聞きしたところ、詳しくわかりやすく教えて下さいました。土壌学でも違った分野のことはなかなか難しくて最新の内容についていけませんが、最前線で研究をしておられる若手研究者から、かみくだいて説明して頂き有難かったです。

Someya_sensei

佐賀大学の染谷先生と 


脱窒問答: Rさんへ質問(Woodpecker)


R 様

  佐賀大学訪問の折は大変お世話になり有難うございました。
お変わりございませんか?
Rさんが脱窒菌を研究していらっしゃるとのことですので、
よろしければお教え頂きたいことがありまして、メールを差し上げました。
脱窒の過程で発生するN2O のことが、地球温暖化やオゾン層の破壊などの原因になると話題になっています。
先日行われた土壌肥料学会北海道支部秋季大会でも北大の学生さんたちが、このテーマでたくさん発表をしていました。
また、私も講義で土壌中の窒素の代謝について話さなくてはなりません。
そこで私自身よくわかっていないことをお聞きしたいのですが、
脱窒は、硝酸塩イオン、亜硝酸塩イオン、NO、N2O、N2と順を追って進行するものなのでしょうか?
N2Oを経由しないで直接N2が生成したり、あるいはN2O のみが生成する過程は存在するのでしょうか?
また一旦ガスになってしまうと、微生物はそれを基質にすることが困難なのではないかと思いますが、脱窒がさまざまな窒素酸化物のガスの形態を経由して進行するとすると、それは一つの微生物の細胞内で進行しているのでしょうか?
あるいは、別々の微生物が、脱窒の途中の段階の生成物を受け渡しながら脱窒反応を進めているのでしょうか?
このようなことを疑問に思いましたので、もしよろしければお教えください。
お忙しい中申し訳ありません。
 
筒木 潔


脱窒問答: Rさんからのご返事


帯広畜産大学
筒木 潔 先生
 
ご連絡いただきありがとうございました。
先日教えていただいたHPも閲覧させていただいております。
四季折々の花がとても美しいですね。
HPにアップされている講義のPDFをいくつか拝見いたしました。
土壌学等々、改めて勉強させていただきます。

  さて、ご質問いただきました脱窒菌(脱窒過程)についてです。
 
脱窒は、NO3-→NO2-→NO→N2O→N2という4つの還元過程で構成されていますが、
これらの反応には、nitrate reductase (NAR)、nitrite reductase (NIR)、nitric oxide reductase (NOR)、nitrous oxide reductase (NOS)
という還元酵素がそれぞれ関与しています。
脱窒には、N2として放出する完全脱窒型とN2Oガスとして放出する不完全脱窒型とがあり、
NOSを持っていない菌種は後者の不完全脱窒型の脱窒を行います。
また、糸状菌による脱窒は、そのほとんどがN2Oを放出する不完全型と言われています。
上記のようにN2Oのみが生成する過程は知られていますが、N2Oを経由しないでN2が発生するかどうかは、
よくわかりません(私自身の勉強不足かもしれません)。
   生理学や生化学的な知識に乏しいので、確定的なことはいえないのですが、 脱窒に関与する一連の酵素群は、膜タンパクやその周辺に存在しており、硝酸からN2(またはN2O)までの還元過程において、 細胞内で受け渡しつつ反応を進行させている微生物が大多数と思われます。
ただし、根粒菌ではN2Oを外部から取り込みN2に還元して放出することが実験的にも確かめられています。
(根粒菌の多くは、根粒内部の酸素分圧の低い場所では、脱窒により呼吸していることがわかっています。)
一般的に、4つのステップは順を追って進むと考えられていますが、上記のように途中から進行する場合もあるようです。
(別々の微生物が脱窒の途中で生成物を受け渡しながら脱窒反応を進めている場合もあるということです)
 
 N2還元能の強い根粒菌をN2O除去の方法として畑地で利用できないかという研究も進められています。
ご存知のように、N2Oは温室効果ガスであり、オゾン層破壊の原因にもなっていますので、
農耕地からのN2O削減にむけて様々な研究がなされています。
(N2Oの人為的な発生のうち、4~6割ほどは農耕地由来だったと記憶しています。)
  窒素サイクルに関しては、2006年に発見されたANAMOXという経路も無視できません。
『土の微生物学(http://www.yokendo.com/book/978-4-8425-0436-0.htm)』の“窒素サイクルと微生物”のページに 解説されております。
また、拙文ではございますが、脱窒について執筆した記事も一緒に送付いたします。
ご覧いただければと思います。
微生物ならみんなができる脱窒!?


 
いただいた質問にお答えできているでしょうか??
ご不明な点等がございましたら、ご連絡下さい。

脱窒問答: Rさんへ再信(Woodpecker)


R 様
 
お忙しい中、早速くわしく丁寧なご返事を頂戴し大変有難うございました。
添付ファイルはこれから拝見させて頂きます。
1種類の微生物が最後まで脱窒の反応を進める場合と、いくつかの微生物が連携しながら進める場合の両方のプロセスが存在するのですね。
またわからないことがありましたらご質問させて頂きますのでどうぞよろしくお願いします。
この度は大変有難うございました。
帯広畜産大学
平成25年12月17日
筒木 潔

脱窒問答: Rさんからのご返事(2回目)


筒木 潔 先生

   早々にご返信いただきありがとうございます。
書き忘れておりましたが、畑地土壌では降雨の直後にN2Oの発生量が急激に増えることが報告されています。降雨により土壌中の孔隙が水で満たされると、脱窒に呼吸方式を切り替えているようです。
 
何かございましたら、またいつでもご連絡下さい。

佐賀大学土壌微生物学研究室 Rさん より


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リンゴとハチと孫の話


私の家の庭には2本のリンゴの木があります。
帯広市で家を建てると、市からのお祝いとして、好きな木の苗を2本もらうことができます。
わが家はリンゴの苗をもらいました。違った品種を隣り合わせに植えないと実がならないとのことで、「つがる」と「ふじ」を植えました。 木はだいぶ大きくなったのですが、去年は花も咲かなかったので、いつ実がなることやらと思っていたところ、
今年は2本の木とも、5年目にして初めて実を結びました。そこで、わが家を訪問してくださったこともあるK.A.氏にそのことをメールで報告しました。
いつものように、楽しく丁寧なご返事を頂きましたので紹介します。
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筒木からK.A.さんへ 


K.A. 様

  ご無沙汰しておりますがお変わりございませんか? お盆も過ぎて、こちらではだいぶ過ごしやすくなりました。
わが家の庭では念願のリンゴの実がなりました。 「つがる」と「ふじ」の2品種でそれぞれに15個から20個の実がついています。 「ふじ」の方が先に熟していますが、最近の困ったことは、スズメバチがリンゴ大好きで、 熟した実を真っ先にみつけて、穴をあけてしまうことです。
スズメバチのいないうちにハチの食べかけの実を取ってきて、残った部分を食べています。 ひいき目かもしれませんが、けっこう美味しくて、わが家の孫も喜んで食べています。
今年はイチゴ、トマト、ブドウなどもたくさん実り、私たちは孫に食べてもらうのを楽しみに しているようなものです。
あと1ヶ月半で実りの秋も終了となるかと思うと寂しいです。
それではお元気で。
9月2日 筒木 潔より 



K.A.さんから筒木へ 


筒木 様
 
K.A.です。
お久し振りです。
大変嬉しくお便りを読みました。 ありがとうございます。
ついに!
ついにリンゴの実がなりましたね。 写真まで送って下さって、とても感激しています。
最初になるリンゴは、きっと小さなもので赤く熟すことなどないかもなぁ、 とずっと一人合点していましたが、 とてもリッパなものですね。
「つがる」と「ふじ」の二本の樹は植樹してもう5年くらいになるのでしょうか。 モモと栗は3年だからそれよりは長くかかるのですね。 柿が8年だからそれよりは早い。 初物とは言えとても美味しそうに見えます。 甘酸っぱそうで天然の香りが伝わってきます。 リンゴってこういう具合に樹になっているんだなぁ、などと。
赤いリボンのようなテープはなんのために貼られているのですか?
蜂にごちそうを横取りされるのは少々残念ですね。 透明なセロファン袋のようなものを被せておかれれば 蜂は入って来れないのではないでしょうか。 でも熟すには光の他に自然の空気にも触れないとダメなのでしょうかね。 よくはわかりませんが、それにしても合計40個あまり収穫できたのは嬉しい限りです。 蜂も寄ってくるぐらいだからきっと無農薬に違いなく 皮ごと食べてもおいしそうだと思います。
お孫さんも、自然の完熟した野菜や果物がたくさんいただけるので、元気なたくましい子に成長されることでしょう。
東京は、先週からぐっと涼しくなりました。 朝晩随分と楽になりました。 陽の勢いがなくなって、夕暮れなどはもの悲しい弱い光となっています。 日の暮れるのも早くなって秋が来たなと思います。
帯広は、これらから日に日に寒くなっていくのですね。 麦の刈り取りも終わった頃だろうと想像しています。
こちらで枝豆を食べると、帯広の隣町は枝豆御殿の農家がたくさんあると言っておられた奥様の話を思い出します。 枝豆は随分とポピュラーな食べ物になったと思います。
先生のホームページはちょくちょく訪れています。 研究テキストが随分増えましたね。
それとJICAのお仕事が多いように見受けられます。 アフリカなど農業に力を入れられる国が増えてきたのでしょうか。 アフリカの人たちの気質はどうなのでしょう。 日本人がやるような熱心で一所懸命なところはあるのでしょうか。 教えるのも大変だろうなと思っています。
先生もお体に気をつけて元気にお励み下さい。 また、先生のお庭の素敵な花々や果実の写真を見たく思います。

ではまた。 

K.A.より 

 
 

筒木からK.A.さんへ(第2信) 


K.A. 様

  早速ご返事有難うございました。
リンゴの苗を植えてからちょうど5年目になります。 去年は花も咲かなかったので、今年このように実の収穫までできたことは驚きでした。
昨年の暮れに、妻に言われて少し剪定を行いました。 妻は、剪定したから実がなったのだと言っています。
赤いテープは、最初に穴のあいたリンゴをみつけて、てっきりこれは小鳥の仕業に違いないと思いましたので、 鳥よけのために赤と銀のキラキラ光るテープをリンゴの木に巻き付けました。
しかし、犯人は小鳥ではなく、スズメバチでした。
今度はスズメバチを撃退するために、ホームセンターで、「スズメバチ激取れ」と書いてあるトラップを買って来て、 リンゴの木にセットしました。しかし、トラップのまわりに美味しいリンゴの実がたくさんあるためか、 スズメバチはトラップに見向きもしません。今のところ1匹もトラップにかかっていません。
今はあきらめの境地で、ハチに美味しい実を教えてもらって、なるべく早くハチからリンゴの実を奪うことにしています。 でも少し危険なので、早朝か夕方、ハチがいないときにリンゴを取ってきます。
十勝での作物の収穫の順番は、まず7月下旬に小麦の収穫、2週間ほど遅れてパン用の春小麦、8月上旬から9月中旬にかけてジャガイモ、9月下旬から10月中旬に豆類、そして最後10月中旬から11月上旬にビート(てん菜)を収穫します。
野菜類は夏の間、次々に収穫できます。わが家でもミニトマト、フルーツトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、ナンバン、イチゴなどを栽培しました。
大玉のトマトは今が収穫のピークです。スイートコーンや枝豆も今がベストシーズンです。私も大学の畑で少し栽培しましたので、わが家に持ってきました。 学生さんと分け合っているので、それほどたくさんではありませんが、結構美味しかったです。
家の庭のブドウは去年に引き続き豊作みたいで、毎朝、孫と一緒に熟した実だけ2粒か4粒取っています。 孫は大事そうにブドウの実を握りしめて、家に入ると、妻にそれを渡します。 妻はブドウの実の皮をむいてあげて、お皿にのせて「はいどうぞ」というと、孫はうれしそうにフォークに刺してその実を食べています。 ブドウは10月中頃から11月上旬まで楽しめます。
私のホームページも見て頂き、大変有難うございます。
最近更新を怠っていますので、また、何か書き加えたいと思います。 講義関係以外にも、雑感など気軽に載せたいと思います。
最初のメールは、妻がリンゴの実がなったことを写真付でK.A様にお知らせして、と言いましたのでお送りした次第です。 また、お便りできるのを楽しみにしています。
平成26年9月2日 筒木 潔より 


 

K.A.さんから筒木へ(再信) 


筒木 様
 
いつも楽しくご親切なお便りお礼申し上げます。
リンゴが今年、俄然元気になって実を結んだ背景には、 剪定が考えられるんですね。
なるほど。 奥様はなかなか着眼が良いのですね。 リンゴの剪定というと青森を思い出し、そして桜の木を思い浮かべます。
ソメイヨシノは100年しか持たないと言われているのに、青森公園のソメイヨシノは100年以上も元気に咲いている。 桜は木を切ると切り口から腐朽菌が入るので、剪定はタブーとされて来たらしいけれど、青森にはリンゴの剪定技術があってこれを桜に敢えて使ったところ成功したのだとか。 不思議なことです。
リンゴの場合、剪定というのは大切なことなのでしょうか。 門外漢の私にはよくわからないけれど、剪定によってリンゴが一挙に大人になったというのは驚きでした。
何度か筒木家にお邪魔して、「早く大きくなぁれ」と見てきたのでひとしおでした。 お便りでいろいろ教えていただくだけでもワクワクします。
ぶどうもおいしいものがなるのですね。 先生のホームページにぶどうの写真があり、とてもりっぱなものでした。
お孫さんがいたいけに両手にぶどうの粒を携えて、祖母のもとに持っていく光景はほのぼのとします。 お行儀のよいぼっちゃまという感じで、とてもほほえましく思います。
スズメバチは、筒木先生の研究室と高校時代を思い出します。
先生の話だと高校時代の同居(人)はアシナガバチで、温厚なものだったとか。 今回のスズメバチはとても過激なのでしょうね。
それでも、そのスズメバチをリンゴの選定役としておられるところが、なんともユーモラスです。 実際は刺されると大変なことになりましょう。
私の実家では、蜂の子を食べる風習があります。 岐阜県東濃地方から長野県佐久方面の風習らしいです。
蜂は、地元では「へぼ」と呼んでいる灰色の小さなもので地蜂です。 土の中に巣を作ります。
この蜂の子、風味がとてもよくて滋養もあることから、 稲刈りが終わった頃当たりから、スポーツやレジャーのようにして 仲間数人とヘボ狩りをします。巣を見つけることや掘り出すことは一人では無理だからです。煙で巣穴を燻し成虫の蜂を弱らせて一気に掘り起こします。 大変貴重なもので、とても高価で取引されます。
蜂の巣は平たい板のようなハニカムで、大きいものは一抱えほどあります。
実家と私の家族でこの「へぼ」を食べるのは、お袋と私しかいません。 蜂の幼虫は、ご多分に漏れずハエの幼虫のような形をしていてグロテスクなので都会の子や風習のない人たちは見ただけで嫌悪して逃げます。
私は小さい頃からそうした風習に親しんで来たので、 スガリ(私の田舎ではアシナガバチをそう呼んでいます)の巣を見ると、美味しそうだな、と思ってしまいます。
水族館などで、イワシが群れをなして泳いでいたり鯛を見ると美味しそうだなと連想するのと似ています。 牛や鶏を見ても美味しそうだとは思わないから、ちょっと不思議です。
帯広は今、刈り入れのシーズンなのですね。 詳しい取り入れの暦をご紹介いただき、よくわかりました。
農地は連作障害を避けるため輪作をされているから、 大きな土地に年ごとに違った作物を育てて、7月から11月上旬にかけて 効率良く農作物を取り入れて行かれるのですね。
去年、帯広を案内していただいたとき、先生からそのようなお話を伺いました。 帯広の高台に向かう時、大きなひまわり畑がありましたね。 季節が終わって朽ち始めのひまわりがたくさんありました。
鑑賞用というより、ひまわりの種から油をとるために植えられていたのでしょうか。 普段見慣れないものだから、子供のように興味が行きます。
先生の研究のテキストの中では、 窒素の地中固定についての話題が今も頭の中に残っていて、それが折りに触れて思い出されます。
カミナリが窒素固定にかなり威力があることを知りました。 工業化と土壌、特に農業用地との折り合いはこれからの大きな課題となるのでしょうね。

とりとめのないお便りとなりました。 元気に秋をお迎え下さい。
では。
K.A.より 

 

筒木からK.A.さんへ (第3信)

 
K.A.様  
ご返事有難うございました。
剪定は、おいしい果実をならせるための基本的な技術で、「一に剪定、二に防除、三に肥培」と言われているそうです。 剪定によって木の高さを制限し、摘果や薬剤散布、収穫などをしやすくします。また日当りや風通しをよくします。 でも、実がつく枝を切ってしまっては元も子もないので、枝を切る位置については注意する必要があります。 去年の剪定は偶然うまくいったのだろうとおもいます。  
スズメバチにもいろいろな種類のものがあるようです。大きなもの、小さなもの、黒いもの、黄色いもの、さまざまです。
今年の春、ジャガイモのかごを覆っていた麻袋を取り外した際に、麻袋の中にハチが巣を作っていたようで、怒ったハチに一度刺されましたが 大事には至りませんでした。
わが家のリンゴを食べているのは中くらいの大きさの黄色いハチです。  
蜂の子は、以前、木曽福島か恵那の道沿いのお店で見たことがあります。とても美味しいとのことでしたが、買ったことはありません。 多分私は平気で食べることができると思います。
大学時代、研究室の助手の先生がお弁当のおかずにイナゴの佃煮を持ってこられて、少し食べさせて下さいました。 また、マレーシアに調査旅行に行った際に、サゴの木に発生するサゴゾウムシの幼虫を食べました。 フライパンで炒めて、味付けもしてありました。
タイに旅行したときには、スープの味付けにタガメが入れてありました。 タイ東北部の子供たちは、セミをおやつにして食べているそうです。 昆虫は、虫であることを気にさえしなければ、栄養分が多く、おいしい食べ物だそうです。  
十勝および北海道で大面積に栽培されているヒマワリは、ほとんど緑肥用です。
種は採っていないと思います。畑にすきこむことによって、次の作物の養分になりますし、 また菌根菌が増えて、次の作物のリン酸吸収力を高めるそうです。
また、ヒマワリは美しいので、観光客を呼び寄せる効果もあります。 十勝の本別では、ヒマワリ畑迷路というものを作り、たくさんの人たちが来てくれたようです。  
前のメールでご質問を頂きましたアフリカからの研修員が多いことにつきましては、 近年の日本政府の方針のようです。アフリカは資源の豊かな国が多いですし、また国連では貴重な1票を持っています。
アフリカの国々から良い印象をもらうことは、日本の国際的立場を強くするために非常に重要なことなのだそうです。
中国や韓国も、日本以上にアフリカの国々にでかけて協力関係を築いています。 中国も日本のJICAと似た組織を持っていて、開発途上国からの研修員をたくさん受け入れているそうです。  
それでは、また。  
平成26年9月3日 
筒木 潔  
 
 

スズメバチのトラップについてその後

スズメバチのトラップは、1週間くらい経って中の液が発酵してきたころから、スズメバチがたくさんかかるようになりました。リンゴへの被害もその後なくなりました。

リンゴは「ふじ」が先に実って、ほとんど取り尽くしたころから『つがる」が色づいてきました。「つがる」の実は「ふじ」より小ぶりですが、ハチの被害がなかったためか、きれいにできています。

 

リンゴ農家さんは、普通、実の1個1個に袋をかけて、リンゴを実らせます。私はそのような袋が手に入らなかったことと、ネットの情報で袋がけしないと見た目は悪くなるが、味は良くなるとのことでしたので、袋がけはしませんでした。そのため、スズメバチの攻撃を受けたのですが、それなりに面白い経験をしました。

 
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リンゴの品種名を間違っていました。

先の文章でリンゴの品種名を間違っていました。

先に実ったのが『つがる」で、「ふじ」はまだこれからが収穫時期です。(今日は平成27年11月1日です。)

両方のリンゴは収穫の時期がかなり離れているので、長い期間リンゴを楽しめることになります。収穫が終わった『つがる」の木は先週せんていをしましたが、少し切りすぎたかもしれません。

 

『つがる」は今年も褐斑病にかかり、たくさんの葉が枯れてしまいました。褐斑病にかかった枝は切り落としたのですが、これを毎年繰り返していると全ての枝がなくなってしまいます。

 

わが家の庭では、今年もいろいろな果物や野菜を収穫しました。それぞれほんの少しずつですが、楽しむことができました。リンゴ、ブドウ、イチゴを一番楽しんだのは孫でした。


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I have harvested the apples.

     I have harvested the apples, Fuji variety, remained on the tree on November 8. Some apples have been eaten by the birds. I have left two of them on the tree to feed the birds.


apple_harvest

Comment from Dr. G.M. Panaullah, Bangladesh

        Wow! Nice! The apples look plump and juicy!


My reply

         Thank you, Dr. Panaullah. They are really sweet, because we have waited until they are ripe on the tree. The snow this morning told us that it is the time to harvest them.


Comment from Ms. Priyadarsani Rajapaksa, Sri Lanka

        What a beautiful kindness...........two apples for birds........


My reply

        Birds have already bored a big hole on the apple. Therefore, I gave it to them.


Comment from Mr. F.N. Nawabi, Afganistan

        I show you the photos of my apples: Reed Shep variety.


My reply

        Thank you, Mr. Nawabi. Your apples are always big and look delicious.



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4月終盤の雪(Late snow in the end of April)


 

スノードロップ、クロッカス、ヒヤシンス、チューリップと花々が次々に咲いて

春の訪れを喜んでいた昨今ですが、4月も終わりの29日になって再び雪が降りました。

思えば、過去に5月の連休中にも雪が降ったことがありますので、帯広で確実に雪が降らないのは、
6月から9月までの間だけと言えます。

 

この4ヶ月の間に作物は生長し、実を結ばなくてはならないので、大変なことだと思います。


 
 

      It snowed again in the end of April (April 29).


      In the past, it also snowed during the golden week (national holidays week) in May, the months free from snow are only four months from June to September in Obihiro.

      Crops should grow in these four months, and provide harvest. It is a hard work both for crops and farmers.


      ------------------------------------------------------------------------------------------------------------


Comment from Dr. G.M. Panaullah, Bangladesh

        A heat wave in parts of south Asia including Bangladesh, and you have snowfall in Japan!!


My reply

         But earthquake is common in both places.


Comment from Dr. Neue, Germany

        All over Germany it snowed the last two days. Today temperatures are back above 10C.


My reply

        Thank you, Dr. Neue. It must have brought considerable damage to plants and flowers, as it almost looked like early summer from your postings.


Comment from Dr. G.M. Panaullah, Bangladesh

        Alas! If it were possible to send some chill here! We are being roasted by the blistering heat wave!


My reply

        Thank you, Dr. Panaullah, it would be nice if we could mix our chill and your heat wave.


Comment from Mrs. Lisell T.

        Why is there snow again DR. Tsutsuki?


My reply

        Liselle, I do not know why? It occurs sometimes here, maybe once in three to four years.


Comment from Mrs. Lisell T.

        So you mean it is not strange though...


My reply

        No, it is not a strange phenomena.




late snow 1
  late snow 2
 

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リンゴの木の植え替えをしました。(New apple tree was planted)


 

わが家のリンゴは昨年たくさんの実をつけて、孫たちを喜ばせてくれました。

しかし、今春になって「つがる」の方の木からはいつまで待っても葉が出てきませんでした。

幹の樹皮が黒くただれており、昨秋の降雪前と今年の融雪後、マシン油を散布し、またペースト式の殺菌剤を塗布したのですが、効果がありませんでした。

 

私は褐斑病かなと思ったのですが、妻が園芸店などで聞いてきたところによると、アブラムシの被害だそうです。

 

そこで、仕方ないので、真鍋庭園の売店に行って新しい苗を購入してきました。新しいリンゴの木の品種は「おうりん」というものです。

枯れてしまった「つがる」を掘り出して、新しい「おうりん」を植えました。

まだ、若い木なので、今年は花をつけませんでした。

リンゴが実をつけるためには、2種類の異なった品種の間で花粉のやりとりをしなくてはならないそうで、

その結果、今年は「フジ」も実をつけることができませんでした。

「フジ」と「つがる」の経験からすると、苗を植えてから6年くらいしないと、「おうりん」には花がたくさん咲きませんので、実が再びなるのもそのくらい待たなくてはなりません。

その頃には、孫たちも小学校の中学年から高学年になっていますし、私は70歳以上になっています。

まあ元気で、リンゴの実が再びたくさんなる日を迎えたいと思います。


 
 

New apple tree was planted. I have two apple trees in my garden. Both trees gave us many fruits last year. However, one of the trees had been attacked by aphids and fungi disease and could not recover in this spring. Today, I dug up the damaged tree and planted a new tree. It belongs to a different variety as the former one. It will take six years until I can have the first harvest from this tree. Then I will be 71 years old by that time.


old-apple-tree
  new-apple-tree
 

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Performance of apple trees this year (2016).


 

After the apple tree, variety Tsugaru, was withered due to fungi disease, I replaced the tree to a young tree, variety Ourin. We have to wait still 6 - 7 years until this tree bears its first fruits.

The remained apple tree, variety Fuji, bore only 13 fruits this year, though we had more than 50 apples last year.

One branch of Fuji was withered in the early summer due to the infection from the withered tree. I sprayed the apple trees with the mixture of neem oil, wood vinegar, and essential oil from some tree leaves every week.

 

Fortunately, the other branch, twigs and leaves remained healthy through the year, and I hope it will have flowers and fruits also next year.

 

The young tree, Ourin, also grew a little taller, and looks healthy.

We had the first snow on November 3, and the leaves of apples were covered with snow.


 
 
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お礼状:ペドロジスト学会巡検(東海地方3県の黒ボク土)に参加して.


 

M 大学

M 先生


拝復

この度は、ペドロジー学会巡検の資料と写真をお送り頂き大変有難うございました。

シンポジウムも巡検も大変充実した盛りだくさんの内容で勉強になりました。

 

私は30年近く前に名古屋大学に在籍していたため、訪れた場所には馴染みがあり、センチメンタルジャーニーのような気持ちもありましたが、非アロフェン質黒ボク土壌断面をしっかり見たのは初めてでしたので、大変参考になりました。

 

巡検に参加する直前に、新田次郎氏の「武田勝頼(一)」を読んでいたのですが、その中で長篠の合戦について著されていました。その状況を説明するなかで、合戦場は一面の萱原であっただろうと推察されていました。当時は、馬の餌、畑の肥料としての堆肥、家屋の屋根葺き材料などに萱が必須で、畑の面積の5倍くらいの萱刈り場が必要であったと述べられていました。

帰りのバスのなかで、Tさんが、稲武の94歳のおじいさんが今でも萱を刈って畑の肥料にしていることを紹介しておられましたし、新城の柿畑の所有者のご婦人が、亡くなられたご主人が萱を柿畑の肥料にしておられたと言っておられました。新城に限らず萱刈場は日本の農業において重要であったことが実感できました。

黒ボク土の生成への草本植生の貢献が推察されていますが、もっともなことだと思いました。

黒ボク土の生成機構についてはさまざまな説や要因がありますが、まだまだ決定版は確立していないように思います。

現役時代にもっと勉強しておけば良かったと後悔するこの頃ですが、M先生を始め、若い先生方のますますのご活躍をお祈りしています。


敬具


平成30年3月9日

筒木 潔

 
 

Kuroboku soils in Tokai area 東海地方の黒ボク土(Excursion of Japanese Society of Pedology 日本ペドロジー学会巡検), March 3-4, 2018


黒ボク土についての疑問


 

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私の父が若かった頃の話を聞きました。(K.A さんからの手紙)


 

筒木潔先生


随分とご無沙汰を申し上げています。

お変わりありませんでしょうか。

昨年3月に長年勤められた大学を退官された時、ご挨拶をしなければと思いながら果たせず、大変不躾なことだったと悔やんでいます。

 

奥様からはちょくちょく音信をいただいていて、潔先生の近況もお伺いしていました。

 

植え替えられた林檎の若木はスクスクと育っていますか。

今年も美味しい実をつけますでしょうかね。

お庭も今が一番華やかな時ですね。


先生のホームページも時折訪問させていただいています。

退官後も充実された運営をされていてうれしく思っています。

6月に名古屋で行われた高校の同窓会に参加され、その際の挨拶文を読ませていただきました。

私の2年9組の担任でした。


筒木先生の御尊父、ご母堂のこともモノローグで深く知りました。


私の高校時代の友だち(女性)と、高校アルバムの件で40年近く経ってメールでの交流が復活しました。

メールのやりとりの中で、都築弥厚の話から、彼女の小学校の先生にとても尊敬する筒木先生がおられた、という話を聞いて、それを深く聞いていったら、なんと筒木真一先生だったという驚きの話になりました。

彼女は、根石小学校、甲山中学、岡崎高校、名古屋大学文学部、愛知県教諭(豊橋の県立高校)という経歴で、Yu. To.(現:Yu. Ku.)さんという方です。

(奥様も彼女のことは深くはないにしても知っておられます。)

真一先生は、Yu.さんが小学校4年の時の担任だったそうです。

小学校時代もっとも尊敬するすばらしい人格者だったとおっしゃっていました。

以下、Yu.さんが真一先生の息子さんに伝えて下さいというので、彼女の原文をお送りします。


『筒木(真一)先生は、私が小学校時代に最も尊敬していた先生です。

すらっと長身で、書かれる文字に気品があった。

シベリアの抑留生活についても、子供が解るように説明してくださった。

お話がとても上手だった。筋が一本ビシッと通っておられた。

小学校だから全教科を教えていただきました。

6年生の時には、書道の時間だけは筒木先生が教えてくださり、そのことがとても嬉しかったものです。

小学校時代からの親友の一人が、私の近所に住んでいました。3,4年生の時は、同じ組でした。

筒木先生が、4月の担任の家庭訪問の時に、私の家の次にその子の家に行くからと、私に道案内を頼んだのです。

それで、その子のお父さんと、「おお、林君!」「おお、筒木君!」と、抱き合わんばかりの再会を果たしたのです。

シベリアで、ともに抑留されていたということでした。』


筒木真一先生は相当な徳のある方で慈愛に満ちていたのですね。

背が高くすらっとしていて、文字に気品があった。書道を習った。この文を見て息子さんの潔先生を思い浮かべました。

40年前だったかテレビを見ていたら、筒木真一先生ご兄弟が出られていてすべて校長先生だった、というお話しも伺いました。

また、彼女の最終の赴任先の豊橋の豊丘高校では、森島敬義先生の娘さんも教師をされていて、一緒に担任・副担任をされたとおっしゃっていました。


こういう出会いというのは、素直にうれしいです。

まるで自分のことであるかのように、尊敬する先生に手習いを受けたことをうれしく感じ、ほほえましくも感動を誘いました。

ちなみに、Yu.さんは、高校時代とても優秀な方で、文学的な才能が特に秀でておられました。

今は教職を定年退官されて、6才年上の旦那様と悠々自適の生活で、中国語とスペイン語をオープンキャンパスで習われて、ブラジルからの移民の高校生を課外授業として国語を教えておられるそうです。

旦那様も高校の化学の先生をされておられたようです。


ということで、彼女からのメールで真一先生の話が逐一潔先生の人となりにだぶったものですから、ご連絡を差し上げた次第です。

この内容は、奥様の和美さんにもお出ししています。


お体に気をつけて、元気に夏を乗り切って行って下さい。

では。


平成30年7月15日

K.A.


お手紙を頂いたK.A.氏を紹介したいと思います。
K.A.氏は東京で、高速度カメラと計測カメラの開発と販売を行う会社を経営しておられます。
私とは岡崎高校での同窓生の関係で、妻とは同級生でした。
LED、半導体レーザー、CCD などを解説する著書もたくさん書いておられます。
また、1998 年からご自分のライフワークを紹介するホームページを作っておられます。


AnfoWorld




Woodpecker からK.A.氏へのご返事


久しぶりにメールを頂き大変嬉しく読ませて頂きました。

今、妻は娘の家に12日から18日まで行っており、私はしばし独身生活をしています。

18日には、妻は孫(長女の息子)を連れて帰ってきます。それから1ヶ月、孫は私どもの家に滞在します。

父が根石小学校で教えた生徒さんが、安藤さんと同じ学年におられて、父のことをよく覚えていてくださったとのことうれしく思います。父が根石小学校で教えた生徒さんが、安藤さんと同じ学年におられて、父のことをよく覚えていてくださったとのことうれしく思います。


父は兵役と抑留生活で苦労したこともあってか、大変頑固できびしい人でした。


妻は、そのため父のことを少し苦手にしていたようです。


父はその時代の思い出を、戦友会の機関紙に投稿していて、私も読ませてもらったことがありますが、その文章はどこに行ってしまったのか、もう読み返すこともできません。


根石小学校には父に連れられて自転車で行ったことがあります。家に車がなかったので、移動は大抵自転車でした。


休みの日に父の故郷の生平の川で釣りをする時に連れて行ってもらったのですが、途中で根石小学校に寄って、木立のなかでミミズを掘ったことを覚えています。なにかどうでもいいような些細なことを覚えているものですね。


りんごの木は最初に植えたものは2本とも枯れてしまいました。お隣の家も同じ時に2本植えたのですが2本とも枯れてしまい、我が家と同様に新しい木を1本植えてあります。我が家の新しいりんごの木はなんとか元気に育っています。まだ木が小さいので、りんごの実は摘果しています。最初の木は実をたくさん稔らせすぎたことも木を弱める原因のひとつだったのかもしれません。新しい木は慎重に扱っていきたいと思います。


大学では今年も非常勤講師をしています。別科という2年コースの学生たちに、土壌作物栄養学の講義と実習を1年間教えています。


まだ元気なうちはそういう機会を与えてもらって有難いことだと思いますが、非常勤講師の依頼は3月に行われるので、来年も担当するかどうかはわかりません。


K.A.さんも、いろいろご活躍と、妻から聞いています。


これからもどうぞお元気でお過ごしください。


平成30年7月15日

筒木 潔

 
 

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K.A さんからの再信


 

筒木潔先生


ご返事が少し遅れてしまいました。

ご丁寧なご連絡ありがとうございました。


リンゴの木が2本とも朽ちてしまったことは知りませんでした。

木を育てるのは大変なことなのですね。

昔、高校の友達(千葉大学園芸学部)がリンゴの剪定というのはかなりのノウハウがいるみたいな事を言っていました。

その技術で剪定している津軽のソメイヨシノは、樹齢100年限界説を通り越して元気に生きているのだ、と教えてくれました。

剪定は大事なのか。

私にはよくわからないけれど、木を育てるのは気の休めない、しかも重労働だなと思いました。


潔先生のお父様は、相当厳格な方だったのですね。

高校時の知り合いだけの情報で、真一先生をお会いしたこともないのに、とても身近に感じてしまいました。

真一先生のことの多くが潔先生とダブルのは、私が潔先生しか知らないからです。


その友達には、真一先生家庭ではとても厳格な父親だったそうですよと連絡しておきました。

その友達から追伸で、彼女の所属していた名大弓道部の1年先輩に、農学部の「S.S.」さんという方を教えていただきました。

ひょっとして、筒木潔先生のお知り合いかもしれないと。

S.S.先生は、長い間エストニアのタリン大学で教鞭をとっておられるそうです。

ご専門が「地中の花粉の研究」とか。

(これは、奥様の方が年代が近いから奥様にも伝えておきます。もっとも私の大学などは同じ学科でも一年違うとまったく知らない人ばかりなので、奥様も知らないかも知れませんね。)


潔先生は、大学ともまだ関わりがあるようですね。

現役ほどではないにせよ、張り合いがあってよいことではないかと思います。

考えて見れば、先生は大学時代を通して45年以上も大学機関に所属され、多くの学生を送り出されてこられたのですね。

毎年毎年若い子が入って大学はいつも若い空気に包まれている。

若い子達と一緒に実習するのは気持ちが若返って良いことかも知れません。


私も仕事で若いエンジニアと一緒に仕事をさせてもらっています。


先ほど、奥様からご連絡をいただいて、お孫さんがいらっしゃることを聞きました。

やんちゃさかりで、家のうちそとを走り回るから気が休めないだろうけれど、それでも年長さんだから分別は少しはついてくる年頃だろうと思いました。

一緒に庭仕事のお手伝いをしてもらうのも良いことかも知れませんね。


我が家も、同じマンションの上階に息子夫婦家族がいるので、毎日のように孫娘たちがやって来ます。

7才の娘と1才と少しになったよちよち歩きの娘です。

孫娘達との遊びは正直疲れますけれど、来ないと淋しいので、来た時には頬ずりをせんばかりにしてお付き合いをしています。

お茶とお茶うけをお盆に入れて持って来てくれるのは女の子らしいなと思います。


こちらは記録的な猛暑が続いていて、電力がとても心配されるのだけれど、マスコミはとんとその話をしてくれません。


先生も、どうぞお体に気をつけて元気にお励みください。


ではまた。

平成30年7月23日

K.A.




Woodpecker からK.A.さんへのご返事


メール有難うございました。

退職後はほとんど直接関係のあるメールが入ってこないので、メールのチェックが遅れてしまいます。

K.A.さんからのメールにも今気がつきました。


K.A.さんとの今回のメールのやり取りも、個人情報のところはわからないようにして、また私のホームページ内の"Correspondence" で紹介させていただきたいと考えていますが、よろしいでしょうか?


こちらでの夏休みの間、孫を畜大の体育教員の人たちが運営している体操教室に通わせています。このところ、私と妻の2人で一緒に連れて行っています。

今日は、妻は午前中テニス、お昼休みは私がミニバレー、午後には孫が体操教室と家族そろってのスポーツデーとなりました。


枯れたりんごの木の写真を添付します。


平成30年7月24日

筒木 潔


P.S.

私が高校生の頃だったか、家族でテレビを見ていたら、モンゴルのウランバートルの様子が放送されました。

その画面を見ていた父が「あの建物はわしらが作ったものだ。」と言いました。

捕虜として建設工事に関わったのですが、その時建てた建物が戦後数十年を過ぎてもウランバートルで使われていることに感慨深い様子でした。

父はシベリアのあちこちの捕虜収容所で働いたのちにモンゴルのウランバートルに移動したとのことです。

また、別の機会に、捕虜の時はどんなところに住んでいたのと聞いてみたことがありますが、

立派な建物ではなく、地面に穴を掘って、屋根をかけたようなものだったと言っていました。


withered-apple-tree
 

この木は今年の春に枯れてしまったリンゴの木です。

9年前に帯広市からのプレゼントとしてもらった2本のリンゴの木は、6年目から8年目にかけてたくさん実をならせて楽しませてくれましたが、「つがる」が一昨年に、「ふじ」が今年枯れました。

おそらくカビによる病気だろうと思います。

右側に写っている背の低い木は一昨年植えた「王林」です。今年枯れた木「ふじ」の根元からはひこばえのように新しい枝が伸びているので、うまくいけば第2世代として育ってくれるかもしれません。


new-apple-shoot
 

枯れたリンゴの木「ふじ」の根元から生えてきた枝です。

いくつも生えてきましたが、1本だけを残しました。これから無事に育ってくれることを願っています。
------------------------------------------------------------8月30日追記。


My father and mother's story.


 

父と母の思い出


 




K.A.さんからのご返事


ご連絡いただきありがとうございます。

ご自由にお使い下さい。


写真もありがとうございます。

お孫さんもうれしそうに帯広での生活を楽しまれている様子、こちらもうれしく拝見しました。

祖父母に懐いているようで何よりのことだと思いました。


大学に子供たちが遊べる環境があるのですね。


筒木家の庭も夏はたくさんの花が咲き乱れるのですね。

わたしにはどれがなにやら十分に理解できないけれど、リンゴの木に葉がついていないのは淋しい限りです。

木を見るとりっぱに見えるけれど、葉がないのは命がないのですね。

きちんと剪定されているのが写真から見て取れました。労力も相当なものだったろうと思います。


結構大きくなって幹も太くなっているのに、残念なことでした。

リンゴを育てるのは大変なんだなと感じました。

3年前はたくさんの実をつけたのに。

実をつけさせすぎたともおっしゃってましたね。

青森や長野の林檎園農家にはこうした育成のノウハウをたくさんおもちなんだなと思いました。


今後も元気に(そして無理をしないように)筒木農園(庭)を続けて行って下さい。


では。


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バレイショ(キタアカリ)の収穫。T.M.氏からの質問。
Harvest of the potato (Kita-akari). A question from Mr. T.M.

potato yield survey 1
 

On July 30, we harvested the potato in the class of Soil Science and Plant Nutrition Practice. It was the 15 th and the last class day. For the timing of harvesting the potato, it was a little early, but we had to harvest it within the period of the practice class. However, still three rows are left unharvested. We will harvest them two weeks later though it is not included in the term of the class.
The photo in the lower right shows the magnesium deficiency symptom appeared on the leaves of organic fertilizer plot. It was not the blight disease.


 

バレイショ、キタアカリの収穫。7月30日は別科実習の15回目(最終日)で、キタアカリの収穫調査をしました。まだ時期的には早いので中央の2畝だけ収穫調査しました。2週間後に実習としては時間外となりますが、残った畝の収穫調査をする予定です。イモも大きくなっていることでしょう。試し堀のイモを我が家で既に食べていますが、なかなか美味しい出来栄えでした。
右下の写真は、有機肥料区の葉に現れたマグネシウム欠乏の斑紋です。疫病ではありませんでした。


potato yield survey 2
 

On August 13, I harvested the potato with the junior course students. The yield survey was the second time since two weeks ago. The yield increased very much and attained the level of 4.2 t/10a in the chemical fertilizer plot. The quality of the potato is good and tastes very good.


 

8月13日は別科実習で栽培したジャガイモ(キタアカリ)の2回目の収量調査をしました。別科実習の規定回数はもう終了していますが、多くの学生が参加してくれました。今年のイモは美味しくできたと好評です。収量も化学肥料区では10アールあたり4.2トンレベルまで増加しました。調査結果は下記の通りです。

8月13日調査結果


potato yield survey 3
 

On August 27, I carried out the third yield survey of potato. Though I did not expect that some students come to help me as it is still summer vacation period, three students came to the field to help me. Four people were good number to harvest the potato in the four trial plots. Since August 13, the total yield as well as the weight of individual potato in the organic fertilizer plots increased remarkably. The yields of potato in the chemical fertilizer plots seemed to attain the maximum level already in August 13. This result revealed that comparable yield and size of potato could be attained even in the organic fertilizer plots if we grow the potato for the sufficiently long period.


 

8月27日は3回目の収量調査をしました。まだ夏休み中ですし、評点報告もしてしまったので学生さんは来てくれないかなと思っていましたが、3人も(全体の5分の1)来てくれました。区が4種類なので私も入れて4人で調査するのはちょうど良い人数でした。有機肥料区のイモもだいぶ大きく育ったような気がします。データ整理してみたところ、8月13日から8月27日にかけて有機肥料区のイモの1個当り重量が著しく増大したことがわかりました。化学肥料区のイモの生育は8月13日ですでに最大に達していたようです。有機肥料で栽培する場合は気長に生育を待てば化学肥料区と同じくらいの大きさのイモが同じくらいの収量で得られることがわかりました。


その後、バレイショの規格別割合を個数当りと重量当りで計算してみました(下のpdfファイルをご覧ください)。8月13日から8月27日にかけて、有機肥料区のサイズ規格別構成割合が著しく改善されて、M および L クラスが主要なクラスとなりました。規格外のイモは重量で見れば痕跡量となりました。販売時の価格にも影響するので、十分にジャガイモが生育するのを待ち、適切な時期に収穫することが大切なことがわかりました。



8月27日調査結果


7月23日から8月27日にかけてのバレイショサイズ規格別割合の変化



T.M.さんからの質問


美味しさの比較はどうでしょうか?太陽の光を浴びてゆっくり育った方がおいしいのではと想像しますが。。。



K.Tからのご返事


美味しさの比較はまだしておりません。8月13日に収穫した有機肥料区のイモの一部は他の区とまざらないように保管してあるので、妻に頼んで調理してもらおうと思います。去年までの実習では実習期間中に終えるために早めに収穫してしまい、有機肥料区の収量とイモのサイズは常に劣っていたのですが、今回の実習では生育期間を十分とることによって、有機肥料区でも化学肥料区に劣らぬ収量をあげることができました。有機肥料区の品質が優れていれば、有機肥料を用いることの価値をさらに主張できると思います。



T.M.さんからのご返事


返信ありがとうございます。芋の甘みやうまみ等を計る検査機器があるとよいのですが。。。筒木先生の調査結果は有機農業で栽培している農家にも吉報です。有機野菜ということだけで、20~50%くらいで高く買ってくれる都市消費者がいます。加えて、美味しいとなれば、更に有機農家は本腰入れるでしょう。



K.Tからのご返事


いつもコメント有難うございます。食味検査はなかなか難しいですね。当事者はどうしてもひいき目になりますし。現役中は糖分、デンプン、ビタミンCなどを測定することも可能だったのですが、今はもう設備がないのでできません。



T.M.さんからのご返事


それは残念です。先生の味覚の感想でも教えてください。また、有機で栽培期間が長くなった場合、ジャガイモの中心部に空洞ができませんか?また、そうか病等の病害虫の発生はどうでしょうか?日本で有機栽培していた時は、有機質肥料で土壌が肥えれば肥えるほど、そうか病の発生被害が広まったようでした。
ちなみに、北インドで小麦、コメ、ジャガイモが主食のようになっています。冬場に小麦かジャガイモを栽培し、一年をとおして食べています。日本人のとって、閉口するほど、芋カレー、マサラ芋炒めが毎日のように出てきます(笑い)。



K.Tからのご返事


そうですね。病害の問題が一番深刻ですね。北海道のジャガイモは日本の他の地域と比べると病害にかかる割合は低いようですが、そうか病には油断するとたいていかかります。堆肥をやった畑ではさらにかかりやすいということも聞いています。私の今回の圃場試験ではどの区でも病害にかからずきれいなイモができました。農家さんほどにではありませんが、薬剤(マンゼブ剤とレーバスフロアブル)による病害防除を定期的に行ったためだと思います。有機無農薬栽培とは言えなくなることが残念ですが、いまのところ仕方ありません。
そうか病と同時に、「ばれいしょ疫病」も厄介な病害です。防除をしないとたいていかかり、地上部が早く枯れてしまいます。私の今年の圃場でも、葉の一部に斑紋ができて、疫病が発生したのかと心配しましたが、疫病ではなく、養分欠乏症状(マグネシウム)だったようです。
じゃがいもの空洞化については、今回収穫したイモにはみられませんでした。あまり大きく育てすぎると発生するようです。今回栽培した品種はキタアカリといって、丸くてあまり大きくはならない品種です。有機栽培で作ると、塊茎はゆっくりと小さめに生育するので、空洞化の危険性はかえって少なくなるのではないでしょうか?大きく育つメークイーンでは発生しやすいように思います。
北インドでもジャガイモがたくさん栽培されているということ初めて知りました。涼しい気候のところでは可能なのですね。簡単に栽培できて収量も多いので、庶民の食料としては適しているのですね。コメント有難うございました。



T.M. 氏の紹介

ご質問とコメントを頂いたT.M.氏は、私がフィリピンの国際稲研究所でポスドクをしていた頃からの友人です。
T.M.氏は長年にわたってインドのアラハバード(Allahabard) で、奥様とともに、貧しいインド農村の人々を支援し生活教育をする"アーシャ=アジアの農民と歩む会" という活動に携わっておられます。
より詳しくは、"Makino School of Continuing and Non-Formal Education" という学校の校長先生をしておられます。
ホームページを運営しておられますので、そのアドレスを紹介します。"Makino School of Continuing and Non-Formal Education" についてはFaceBook のページもありますので検索してみてください。

アーシャ=アジアの農民と歩む会


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野良猫談義。
A discussion on ownerless cats with Mr. I. S.

Noraneko_240924
 

On September 23, Mr. I. S., a friend of mine on Facebook, posted an article introducing a lecture planned in Abashiri city in October. Though I can not attend the lecture, I posted a comment related to ownerless cats, as I also saw such cats during my walk.


 

I.S. 氏からのお知らせ


【網走市からのお知らせ】
  講演会「“飼い主のいないネコ”について考える日」を10月27日(日)に開催します。
 
  飼い主がいない猫との関わり方や課題などを考えます。
  参加費・申し込みは不要です。 


 

K.T.からのコメント


私が子供の頃の60年以上前には、町や村の中には自由に行動している犬や猫がたくさんいました。飼い犬や飼い猫であってもあちこちの家を渡り歩いている状態でした。今はペットの放し飼いが禁止されて、野良犬や野良猫をほとんど見なくなりました。野良犬は危険な感じがしますが、野良猫を見るとかわいそうとか、厳しい冬をどう乗り切るのだろうとか心配に思ったりします。今まで猫を飼った経験はないので、私が助けてやることはできません。しかし、案外猫は野外で逞しく生き続けていけるのかもしれないとも思います。 網走市での講演は興味ありますが、残念ながら遠いので聞きに行くことはできません。


 

I.S. 氏からのご返事


筒木先生、コメントありがとうございます。60年前、野良犬、野良猫が遥かに多かった時代であったとお察しします。今のような愛玩動物という考えよりは、彼らは門番であり、狩りの道具であり、鼠取りなんかであったと推測しますが、やがて人獣共通感染症などに纏わる科学・医学の発展や付随して動物愛護の考えが普及すると、忽ち諸々の法改正や条例制定など、管理の目が厳しい世の中に変遷したのだと思います。飼い主のいないネコたちはいつしか或る人の厄介になり、また或る人の心の拠り所になっています。そんな事はお構いなしにそうしたネコたちは、無秩序に繁殖し、空家を根城にし、在来種を脅かし、そして人知れず道路際で野垂れ死ぬものも多いです。
ヒト以外のイキモノの声を完璧に理解することは到底不可能ですが、少なくとも彼らが狭い地域にとって"悪者"であるという捉え方を改めること、そしてその課題解決は地域で改善していくことが重要だと考えています。彼らにとっても、地域にとっても最良を考える、そんな講演会になることを期待しています。


 

K.T.からの再コメント


思い出話で恐縮ですが、昔は家の構造や住み方もオープンで、いつも家のどこかが開いている状態でした。そのため、よその犬や猫もお構いなしに入ってきて「こんにちは、ご飯ください、おやつください。子供さん一緒に遊びましょう。」という状態でした。それぞれの家で飼っている犬や猫も「血統書付」というような高級なものは少なく、近くの家からもらった子犬や子猫から育てたものや、野外で拾って育てたものがほとんどだったと思います。
今では防犯、防寒のため家はしっかりと施錠されており、他人は元より、よその犬猫が入ってくる余地はありません。ペットもペットショップで購入するものとなり、ある種のステータスシンボルや財産のようにも扱われています。
ペットの役割が変わったことと、人々のペットに対する意識が変わったことがその理由であることは理解できました。
野良猫や野良犬を作らないということは重要なことと思いますが、さまざまな状況のもとで野良犬や野良猫になってしまう犬猫がまだいることも事実です。
一律に殺処分するというのもかわいそうなことと思います。なんとか保護するなり見守るなどして現代社会の中にも居場所を作ってあげられたら良いと思います。


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24_Hiroobi-tombo-edashaku

ヒロオビトンボエダシャク 2024年7月4日